【共板フランジ工法とは?】プラントにおけるダクト連結部分の施工方法

皆さん、こんにちは。

千葉県市原市で、主にプラントや発電所などの保温保冷工事・板金工事を手がけている株式会社誉工業です。


プラント内の空調や排煙に欠かせない設備である「ダクト」。


このダクトは天井付近や壁の中などに縦横無尽に張り巡らされるため、多くの場合は複雑な形状をしていることも少なくはありません。


そのダクト組み立ての際には部材同士を接続しなければなりません。


そのために使われるのがフランジ(継手)です。



フランジにもいくつかの施工方法があり、状況に応じて使い分ける必要があります。


そこで今回は、現在の主流である「共板フランジ工法」を中心に、ダクトの連結部分の施工方法や、ダクト工事が必要なトラブルについて解説します。




■ダクト工事の代表的な施工方法 三つ



フランジ(flange)とはいわゆる継手(つぎて)の一種で、ダクトや配管の部材の端部を、他の部材や設備に接続するためのツバ(出っ張り)のことを指します。


このツバの部分に穴が空いており、そこをボルトやナットで固定することで部材同士を接続します。


フランジは、部材とは別に作って取り付けることもできますし、部材そのものを加工してフランジ部分を作ることもできます。



このフランジ、一般的にダクトや配管の施工で多く使われていますが、なぜフランジで部材を接続する必要があるのでしょうか?


主な目的は、ダクト・配管の組立や分解を簡単にすること、そして分解しての内部メンテナンスをしやすくすることです。


また、ダクトや配管からは、内部を流れる流体が絶対に漏れないようにしなければなりません。


部材の接合部は漏れが発生しやすい箇所なので、フランジには内部にかかる圧力に耐えられるだけの強度が求められます。


それに加え、フランジの接合面はガスケット(パッキン)でシールし、流体の漏れを防ぎます。



そして、フランジによるダクト・配管の接続工法は、大きく3つに分けられます。


それぞれの特徴を簡単に確認しておきましょう。



工法①:アングルフランジ工法


アングルフランジ工法は、鉄製やステンレス製の山形鋼(アングル)を加工してフランジ部分を別に作り、溶接などでダクトに取り付ける工法です。


ダクト同士の接続は、フランジ部分をボルトで固定して行います。


1985年頃までは、このアングルフランジ工法がダクト・配管の接続工法の主流でした。


メリットは接続部分の強度や気密性に優れていることで、主に安全性が重要な排煙ダクトなどに使われます。



その反面、フランジの取り付けやボルト締めをする必要があり、溶接の技術も求められるなど、施工に手間がかかるのがデメリットです。



当然ながら施工費用も高くなる傾向にあり、現在では一般的な空調ダクトなどの施工ではあまり採用されません。



工法②:共板フランジ工法


共板フランジ工法は、ダクト自体を加工してフランジを成型し、そこに金具を取り付けて接続する工法です。詳細は後の項目で解説します。



工法③:スライドオンフランジ工法


スライドオンフランジ工法は、薄い板を加工してコーナー金具を取り付けた「スライドオンフランジ」を作り、それをスポット溶接でダクトに取り付ける工法です。


ダクト同士の接続は、角のボルト締めと「ラッツ」という開き止めの取り付けだけで済み、大量のボルト締めや溶接は必要ありません。


強度においても施工の容易性においても、アングルフランジ工法と共板フランジ工法の中間的な位置づけの工法となっております。




■3つあるダクト工事の工法で主流の「共板フランジ工法」とは?


上述した3つのダクト工事の工法のうち、現在最も広く行われているのが共板フランジ工法です。


共板フランジ工法とは、ダクト自体の端部を90°折り曲げ、その四隅に「コーナーピース」という金具を取り付けてフランジを形成する工法を指します。


共板という名称は、ダクト本体とフランジが一体となっているところから来ていると考えられます。


別途必要になる材料はコーナーピースや接続部品以外になく、溶接も必要ありません。


ダクト同士の接続方法はスライドオンフランジ工法に近く、角部の4本のボルト締めと、数ヶ所~十数ヶ所の接合クリップ(開き止め)の取り付けによって行います。


アングルフランジ工法と比較した共板フランジ工法のメリットは、フランジの別途制作や数多くのボルト締め、溶接といった工程が必要ないため、それほど手間がかからず施工時間を短縮できることです。


その影響で費用もリーズナブルなことに加え、取り付ける部品が少ないので比較的軽量に仕上がります。



短工期・低コスト・軽量といった点においては1番と考えられ、そのメリットの多さゆえに現在主流の工法となっています。



一方デメリットは、アングルフランジ工法やスライドオンフランジ工法に比べて強度が劣ることです。


そのため、安全性が重視される場所やハードな環境での施工にはあまり向いていません。



安く手軽に施工でき、なおかつメジャーな工法であることから「とりあえず共立フランジで」となってしまいがちですが、どの工法を用いるかは十分に検討する必要があります。




■誉工業は、共板フランジ工法などによる空調ダクト管工事をプラントで実施しています!



空調ダクトは清浄な空気を保つために必要不可欠な設備であり、あらゆる建物に設置されています。


誉工業は共板フランジ工法をはじめ、さまざまなダクト工事に対応可能です。



特にプラントのダクト工事を得意としており、建物の規模と構造に合わせた適切なプランニングと施工を行っています。



プラントのダクトは、経年劣化による破損や機能低下はもちろんのこと、接続されているプラント設備で何らかのトラブルが発生した場合も、異常が現れることがあります。


トラブルのさらなる拡大によるプラント操業への影響を防ぐためには、ダクトの異変をすぐに察知して対応することが大切です。



代表的なダクトの異常としては、以下のものが挙げられます。



・プラントにおいてダクト工事が必要なトラブル①:ダクトからの異臭


ダクトは気体を運ぶための管ですから、臭いの通り道にもなります。


もしダクトから普段とは違う異臭がしてきたら、何かしらのトラブルの兆候だと考えましょう。


たとえば、ダクトの周辺が明らかに焦げ臭かったら、プラント設備がオーバーヒートしているのかもしれません。


そのまま放置すれば設備が故障し、爆発や火災につながる恐れもあります。


早急にダクト先の設備の点検が必要です。



また、異臭の原因がダクト管の内部にあるケースもあります。


この場合は、ダクト内に汚れが堆積して異臭を放っている可能性が想定されます。



このような場合、内部や接続部を点検し、必要に応じて清掃やダクトの交換を行いましょう。



・プラントにおいてダクト工事が必要なトラブル②:ダクトからの異音


ダクトは臭いだけでなく音の通り道にもなります。


もしダクトから異音が伝わってきたら、それはプラント機器が発する異音であることも想定されます。


異臭と同じく重大な事故の兆候である可能性があるため、早急に点検が必要です。



一方、ダクト自体の異常によって異音が発生している場合もあります。


たとえば、ファンを回すためのファンベルトの摩耗や、ファンの軸の部分を支える部品の劣化などが原因として考えられます。


これらは目立たない部分のトラブルなので、一度しっかりと点検をしてみなければ詳しい原因は分かりません。



まずは誉工業など、プラントのダクト工事に対応している専門業者に調査を依頼してみてください。




【まとめ】誉工業は配管工事でプラント内の空気をきれいにし、従業員の皆様の快適な環境づくりをお手伝いします!



プラント内の快適な空気環境が保たれるかどうかは、ダクトの整備にかかっています。


フランジ1つとっても、適切な工法を選んで施工する必要があるのです。


また、ダクトは必ず経年劣化し、異音や異臭といったトラブルもしばしば発生するため、定期点検を行うことが大切です。


施工には専門的な知識と技術が必要であることから、ダクトの新設工事やメンテナンス、緊急トラブル対応などを実施したい時は、ダクト工事のプロに相談しましょう。



誉工業は、千葉県市原市を拠点に保温・保冷工事や板金工事などを手掛けています。


さまざまな建物に対応しており、特に発電所やプラントの施工が得意で、年間200件以上の豊富な実績があります。


ベテランスタッフが多数在籍し、高品質な施工を提供できるのに加え、若手スタッフの機動力を活かして緊急のご依頼にも対応できるよう努めてまいりました。



設計から加工、取り付けまで自社で一貫して対応しており、ご要望を施工に反映させやすく、中間マージンも発生しないため安心です。


ご依頼があれば全国どこでも対応可能で、緊急のトラブルにも対応いたします。


物件や施工箇所、用途に合わせて最適な工事を行いますので、まずはお気軽にご相談ください。