皆さんこんにちは。千葉県市原市を拠点に、プラントや発電所などの保温保冷工事・板金工事を手掛けている株式会社誉工業です。
工場やプラントの中を通っている配管に、適切な保温対策が取られていないと、結露が発生する可能性があります。結露を放置すると、配管だけでなく工場内の様々な設備に影響を及ぼすおそれがあるため、注意が必要です。
今回は、工場やプラント内に発生する結露について、原因や対策方法などを解説します。
■工場やプラントの配管って何?
工場やプラントでは、製品の製造や設備の維持に必要な物質を流すための配管が設置されています。中を通る物質は、水・ガス・蒸気・液体などさまざまであり、通るものによって配管の素材も使い分けられています。液体を通す配管では液体配管・気体を通すのであれば気体配管を使用します。食品工場で、小麦粉などの粉を流す必要があれば、粉体配管の設置が必要です。
配管は、人間の体内を流れる血管に例えられることが多いです。血管の損傷が体に大きなダメージを与えるのと同じように、配管にトラブルが発生すると工場全体の稼働に関わる大きな問題となるのです。
工場やプラントの配管は、空調や水道などの配管とは全く別物です。可燃性が高い燃料や危険な薬品などを扱う現場も多いため、取り扱いには高い技術と専門知識が求められます。
■工場やプラント内配管の結露が発生する理由
結露とは、空気中に含まれる水蒸気が液体(水滴)に変わったものです。工場やプラント内の配管に結露が発生するのには、いくつか理由があります。それぞれの理由について解説します。
・配管を流れる物質の温度差
配管を流れる物質と外部との間に温度差があると、結露が発生します。これは、液体配管だけでなく気体配管でも同様の現象が見られます。
温度差が大きくなるほど、発生する結露の量も増えるため、結露を減らすには温度差ができるだけ小さくなるよう対策を取ることが必要です。
・配管の断熱材や保温材の有無
断熱材は、熱が伝わらないようにするための素材であり、保温は温度を一定に保つための素材であることから、双方は似ているようで異なる性質を持つ素材です。
配管がむき出しになったままでは、外気からの影響を受け、温度差から結露が発生しやすくなります。結露を抑え、配管の保温・保冷効果を高めるために、多くのプラントでは断熱材や保温材を使っています。
・配管の設置環境
結露の発生状況は、配管の設置環境に大きく左右されます。工場の敷地面積や空間が広いと、天井が高く間仕切りもない構造により空調の稼働効率が悪くなり、湿気がこもりやすくなることから結露が発生するのです。
また、工場は窓が少ない構造が多く、換気しづらい環境からも、湿気を外部へ逃がすことが難しいものです。特に食品工場では窓が設置できないことから、結露が発生しないようにするなど換気以外の対策を行う必要があります。
■結露を放置するデメリット
プラント配管に発生した結露に適切な対策をとらず、そのまま放置してしまうと、さまざまなデメリットが生じます。プラントを長持ちさせるために、できる限り放置せず早めの対策が重要です。
・プラントの腐食につながる
プラント配管の材質は、中を通る物質や周囲の環境によって決められています。使われることが多い材質には、炭素鋼管・ステンレス鋼管・硬質塩化ビニル管の3つがあります。このうち、炭素鋼管とステンレス鋼管はとても錆びやすく、度重なる結露によりプラントが腐食する原因になってしまうのです。
腐食が発生する箇所は、必ずしも目立つところとは限りません。設備の隙間や、保温材・耐火材の下など、結露が発生して水が溜まりやすい箇所が腐食しやすくなります。
・漏電が発生する
プラント配管の結露が、機械や設備を伝って工場内の電気系統に入ると、漏電が発生してしまいます。漏電により、設備の稼働がスムーズにできなくなるほか、電力を余分に使うため電気料金も上がります。さらに、最悪の場合感電や火災が発生するおそれもあり、とても危険です。
工場やプラント内での安全な作業のために、漏電事故が発生しないよう注意しなくてはなりません。
・床が滑りやすくなり転倒のリスクが高まる
ホース配管で発生した結露が通路に流れ出すと、結露で床が濡れて滑りやすくなってしまいます。こうなると、転倒のリスクが高まるため、早急な対策が必要です。
工場内にスロープが設置された箇所や、人の出入りが多い場所などは、転倒が起きると二次災害も発生しかねません。安全な作業環境を確保すべく、結露の発生を防止する対策を取りましょう。
■工場やプラント内配管の結露対策方法
工場やプラント内の配管に結露が発生するのを抑えるには、以下の対策を取ると効果的です。
・配管の断熱・保温
断熱材や保温材の施工不良により、結露が発生する場合があります。配管の内側と外側の温度差が大きくなるほど、結露が大量に発生するため、配管に対策を施すと結露を防止できます。
ただし、断熱材が結露などの水分を含んでいると、断熱機能が大きく低下してしまいます。また、冷媒配管の断熱材は経年劣化により縮むため、定期的なチェックが欠かせません。
・配管の換気・除湿
配管の結露は、湿度が高い場所で発生するため、換気や除湿により配管周辺の湿度を下げることも有効な手段です。除湿剤や結露防止シートでは、広い工場の結露を完全に防ぎきれないため、シーリングファンなどの設置により空気を循環させるのがひとつの方法です。
食品や精密機械などを扱う工場では、製品の品質保持のために結露対策を施す必要があります。建物内に遮熱シートを施工すると、結露防止につながります。
・配管のメンテナンス塗装
配管を安全な状態に保つには、塗装によるメンテナンスも重要です。塗装の塗料は、配管の素材・配管に流す物質・設置環境など、さまざまな条件を考慮して決定します。
メンテナンス塗装では、前処理として下地処理が行われますが、ケレン作業と呼ばれる素地調整は重要な工程のひとつとされています。塗膜の割れやサビなどの状態を見極めた上で、最適な塗装を施すことがカギとなっているのです。
■まとめ
配管の結露を防止する作業は、配管の寿命を延ばすだけでなく、工場内の作業環境を快適かつ安全に保つためにとても重要です。結露による配管の交換や点検などを依頼されたい工場担当者様は、お気軽に誉工業までお問い合わせください。
誉工業では、空調ダクト・保温・保冷・板金工事などを手がけています。やる気に満ちた若手スタッフが在籍しており、急な配管のトラブルにも柔軟に対応いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。10年以上の施工経験を持つスタッフも多数在籍しており、年間200件以上の施工実績により培ったスキルを活かし、現場に最適な施工をお届けいたします。
千葉県市原市を拠点としておりますが、ご依頼をいただければ全国どこでも対応可能です。先に紹介した工事以外にも、足場工事や油圧機器のメンテナンスなど幅広い工事に対応いたしますので、ぜひ一度お問い合わせください。